就活において、自己PRは準備すべき重要なテーマです。採用担当者は、とても多くの学生を選考しています。
書類にかける時間は5分以内・面接にかける時間は長くとも1時間です。そんな中であなたの良さを引き出すことは不可能です。自己PRはあなたを『活躍できる』人材であると思わせる数少ない場面なのです。
本記事では、自己PRの重要性から実際に自己PRを作るやり方や自己PR作成の注意点について解説しています。
【こんな方におすすめ!】
〇自己分析は出来たが、自己PRはどうやって作ればいいか分からない人
〇ESを作っているが、自己PRの作り方が分からない人
〇自己PRに自信がない人
自己PR作成には、まずは自己分析が済んでいることが必要です。
もし、自己分析がまだという方はこちらの『自己分析のやり方を就活エージェントが優しく解説!』を先にお読みください。
目次
選考は『活躍度』『定着度』『マッチ度』を問われる
いよいよES作成や面接対策のための自己PRを作成していきます。そもそも就活における選考では、採用担当者は何を見て内定を出しているのでしょうか?
「人柄?」「学歴?」「成績?」
どれも一つの指標ではありますが、それが高いことが決め手にはなりません。
採用担当者は選考において
『活躍度』:その学生がうちの会社で活躍する能力を持っているか身に付けられるか
『定着度』:早期退職のリスクはないか
『マッチ度』:うちの会社・職種にマッチする適性はあるか
を見極めているのです。
自己PRは『活躍度』をアピールする場面
そんな中で、自己PRは『活躍度』をアピールする最大の場面です。
あなたがこの会社でどんな活躍を見せてくれるのか。これまでの経験がこの仕事でも活かせるのか。
をしっかりと示す必要があります。
自己分析が出来ていないと自己PRは作れない
「自分には強みがない」「何をアピールしていいのか分からない」と思っている方は、自己分析が充分でない可能性が高いです。自分自身が自分のことを知らないと、相手にアピールすることなど不可能でしょう。
まずは自己分析をしっかり行い、自分の『強み』を洗い出しましょう。
自己分析の手順
こちらの順で自己分析を進めることをおすすめします。
①過去の棚卸:
過去の自分が何をしてきたのかをひたすら書き出します
②エピソードの深掘り:
印象的なエピソードを「なぜ?」を繰り返して深掘りします。
③『強み』の言語化:
深掘りしたエピソードから強みになる部分を抽象化し・言語化します。
↑こちらに関して詳細はこちらで解説しておりますので、一度お読みください。
自己PRは業界・職種によって変わるもの
『活躍出来る人材』が持っている能力は、業界・職種によって変わってきます。
飲食業界の店長を目指す場合は『マネジメント経験』『リーダーシップ』『簿記』『コミュニケーション能力』などがアピールすべき強みになってきます。
しかし、飲食業界の商品開発を目指す場合は『料理の知識』や『メニュー開発の経験』などがアピールになります。
自分のアピールポイントが見つからない時の対処法
自己PRネタが集まらない場合は、6つのポイントを頼りましょう。
【アピールポイントの探し方】
自分の特技から選ぶ | 「これは負けてないだろう」という得意なことを深堀してみる |
過去の成功体験から探す | 「人生で上手くいった」と思える行動を振り返る |
周囲から感謝されたことを思い出す | 自分では当たり前でも、他人から見ればスゴイこと周囲に喜んでもらえたことを書き出してみる |
友人を参考にする | 仲の良い友人なら行動も似ているため、置き換える文章を参考にする |
家族に聞く | 身近な人に自分の長所を教えてもらう |
キーワードから考える | 「記憶力」「分析力」などのキーワードを思い浮かべ、自分に照らし合わせてみる |
自分の特技から選ぶ
「漢字を覚えるのは得意」「誰よりも早く計算することが出来る」など、認識している特技から候補を選びましょう。自分で分かっていることなので書きやすく、他人を真似る必要もありません。
過去の成功体験から探す
「家族旅行をすべて段取りした」「部活の打ち上げを仕切った」など、主体となって動いたことから拾いましょう。チャレンジして成功した経験は、他に代わることのないアピールポイントです。
周囲から感謝されたことを思い出す
「こんなのたいしたことじゃない」「簡単に出来た」という場合も、それが難しい人からすればまさに神技。場合によってはアピール出来る強みになります。
友人を参考にする
一緒に過ごす友人なら、あなたと同じ性質を持っているかもしれません。思いつかない場合は友人の自己PRを参考にし、「自分はどうだろう」と比較して考えてください。
家族に聞く
家族に「どんなところが良いと思う?」と聞いてみましょう。
あなたの気づかなかった長所や強みを発見することが出来ます。ただし、家族から見たものなので、多少えこひいきかもしれません。
キーワードから考える
キーワードが思い浮かばない場合は、ネットで見つけた言葉を入力してください。
検出されたホームページにある単語を拾えば、そこから連想することが出来ます。キーワードを決めたら、自分に当てはめて考えましょう。
自己PR作成の前準備
自己PRは『活躍度』をアピールするための場と言ってきましたが、いざ作ろうとしたときに、『どんな場面で』といった部分が浮かんでこないでしょう。
クオリティの高い自己PRを作成するには、しっかりとした前準備が必要になってきます。
まずは志望企業の『求める人物像』を調べる
求める人物像を調べる方法はこういったものを参考にしてください
〇企業HP・採用ページ
〇マイナビやリクナビなどの企業ページ
〇OB/OG訪問
募集要項に求める経験や知識といった項目で記載してくれている企業がほとんどです。更に深く知りたい場合は、OB/OG訪問を行なったり、同業種での知り合いに話を聞きに行くのが良いでしょう
<例:飲食店の店長>
〇マネジメント・リーダー経験
〇数字が得意
〇コミュニケーション能力
〇食に関する興味
〇自動車免許
自己分析で言語化した『強み』を『求める人物像』に当てはめる
そして、自己分析で言語化した『エピソード』『強み』を上記で調べた『求める人物像』に当てはめていきます。
<例:飲食店の店長>
〇野球部の部長の経験 → マネジメント・リーダー経験
〇簿記2級の資格取得 → 数字が得意・分析や改善が出来る
自己PRは『強み』『具体例』『どう活かすか』の順で書く
アピールしたい『強み』を決めたら、いよいよ自己PRを作成します。
書く順番としては
①強み:「私の強みは○○です」
②具体例:「それは○○を経験して身に着けました」
③強みの活かし方:「そのため○○の仕事において、○○という形で活かせると考えています」
をおすすめします。
この基本を踏まえ文章を組み立ててください。
なぜこの順番が効果的なのか
文章を書くときは、結論から始めると伝えたいことをクローズアップ出来ます。つまり「私の強みは」から書き始めれば、あなたの強みが主張されるわけです。そして具体例へ繋げ人物像を膨らませましょう。
特定のエピソードを紹介することで、〇〇が強みである明確な根拠を示せます。最後に強みの活かし方を書いてください。これまでの流れを印象よくまとめ、ストーリー性や将来性を演出します。そうすることであなたの存在を印象づけ、期待を持ってもらいやすいでしょう。
それでは詳しく解説していきます。
その企業での『活躍度』が分かる『強み』
アピールする『強み』は1つに絞らなければなりません。しかし、伝えたい強みが沢山ある場合は、どれを選ぶべきか迷いますよね。
どうしても判断に困ったときは、「いちばん話せる!いちばん努力した!」と自信を持って言える、そんな『強み』を選んでください。
<例>
私の強みはマネジメント能力です。全員が納得できる形で、組織を目標に向かわせることが出来ます。
具体例は『STAR』で書く
『強み』を活かすことに成功したエピソードを説明します。
それには「STAR」のフレームワークを利用しましょう。
*「フレームワーク」=意思や分析、課題を特定の形へ当てはめて整理し、共通して利用することの出来る枠組み
以下の事例を確認してください。
S(Situation):当時の状況
私は高校時代の野球部において、部員100名をまとめる部長を務めました。
T(Task):課題・タスク
「大人数の強豪校」という点もあり、スタメンに入れない3年生が多く存在します。そのためスタメン以外の3年生と、スタメンである後輩との間でコミュニケーションが上手く機能せず、練習や試合の応援に影響をおよぼしている状態を課題と認識しました。
A(Action):行動
そこで私は全員が納得の出来る形を模索するため、3年生と個人面談を行いました。すると「スタメン選抜の基準が明らかではない点」において3年生が納得しておらず、それが原因で「活躍する後輩を喜べない」という状況が作り出されていたのです。そしてこの件をすぐに監督へ相談し、選抜基準の公表をお願いしました。
R(Result):結果
その後、練習試合の成績を数値化することで誰もが分かる基準に置き換え、全員が納得する形でスタメンを決める了承を得ます。その結果チームが一丸となり、以前よりも応援や練習の質が上がったことで、甲子園へ出場する切符を手に入れました。
どう活かすのかはキャリアプランを踏まえて書く
私の○○という能力は、○○という場面に活かせると考えています。さらに強みを伸ばしながら○○の場面においても精進し、将来的には○○の仕事を任される人間へ成長することが目標です。
という形で書くのが良いでしょう。
では、「飲食店の店長を目指す元野球部の部長」という設定で書きます。
彼のキャリアプランは1店舗の店長としてしっかり経験を積み、「5年後には3店舗以上のマネージャー、10年後には20店舗以上のお店を任されたい」と考えています。
<例>
私のマネジメント能力は、店長として従業員をまとめる方向に活かせると考えています。
高校生からご年配の方まで働く飲食店では、その方々の能力を引き出す指導や采配が必要不可欠です。
そこでマネジメントに磨きをかけ10年後には20店舗以上を任されるマネージャーを目指したいと考えています。
書類と面接時の整合性に注意!
企業へ提出した書類と面接の内容に整合性を持たせましょう。文章として残されている言葉は、あなたが書いた確実な自己PRです。「何を書いたか覚えてない」「そのとき思ったことを書いただけ」ということは通用しません。
面接官に聞かれた質問と書類に書かれた答えが異なる場合は、「別の人が書いたのでは?」「ネットを見て真似しただけでは?」と思われてしまいます。
表現方法の違いから別の言葉を選ぶケースもありますが、そのあたりは担当者も理解しているため、一言一句同じである必要はありません。
しかし、「書いてあることと正反対」「面接してみたら思っていた人と違う」という印象は不利に働きます。その差が大きければ大きいほど嘘をつかれた感覚にも陥るため、書類はコピーをとって確認しておきましょう。
文字数の目安は?
新卒であれば300字を基準としてください。
その上で経験が少なければ200〜400字、経験が多ければ400〜500字程度です。
経験とは、アルバイトやボランティアなど社会的な活動のことであり、自己PRは相手に自分を伝えるツールのためどれだけ好印象を残せるかで合否に影響を与えます。
「沢山の文章を書いているけど、結局のところ何を伝えたいのか分からない」
「専門用語を使っているけど、ただ言葉を並べただけの印象を受ける」
と感じられてしまえば意味がありません。
「長ければ良い」というわけではないので、300字前後をベースに考えましょう。
例えば、多くの人が経験する夏休みの読書感想文。学年によって提出する原稿用紙の枚数も指定されますが、「文字数稼ぎにあらすじを書いた」「先生に怒られるからとりあえず枚数を増やした」という思い出はありませんか?
内容の薄い文章を書き連ねても、正確には自分の気持ちを相手へ伝えられません。「私は○○と思う」という主張をきちんと理解してもらうには、短くても的確な言葉で表現する必要があります。
自己PRの文章もそれと同じです。自分の強みを抜き出し、あとに続く文章と上手く繋がるように書きましょう。
*文字数制限がある場合はそれに従ってください。
ありがちなNG例
【NG例】
「私の強みはコミュニケーション能力です。この強みを活かせたのは、サークル活動のときでした。
私が所属するサークルは〇〇で、チームが負けそうになった際も味方へ声をかけ続け、バラバラになったメンバーの心が1つになるよう励ましました。勝利を得るため話し合ったポジショニングが機能し、敗退するだろうと思われていたチームは逆転勝利し、サークル創設以来の勝ち星を飾ることに成功したのです。
そのため貴社へ入社して難しい課題にぶつかったときも、自分の殻へ閉じこもらずさまざまなことに挑戦し、周囲のアドバイスを取り入れながら乗り越えられます。失敗を恐れず問題と向き合い、解決へ向けて努力します」
→強みの具体例にサークル活動をあげた文章ですが、ポジティブさを語るのにサークル活動はあまりおすすめできません。
そもそも企業は、こちらが考えるほどサークル活動に興味を持ってないでしょう。企業が知りたいのは「将来性」「人柄」「情熱」。エピソードの内容を強調するあまり、自慢話にしかしか聞こえないようであれば、その時点で採用を見送られる可能性も高まります。
サークル活動を自己PRに使いたいのであれば、次の5つのポイントに焦点を当ててください。
①サークル活動に伴う数字
◆勧誘して入部したメンバーの人数
◆主催したイベントの参加率や利益率
企業はチームの勝敗に関心を寄せるわけではありません。あなたがサークル内で行動した結果の客観的な数字。「主体性を持って、どのくらい積極的に関わったか」ということを確認します。
そのため誰が見てもすぐ分かる数字を含めましょう。
②サークル活動で学んだこと
◆社会人として活かせるポイント(部費の管理や企画運営など)
◆トラブルを解決した事例
どこのサークルへ所属するかにもよりますが、思い出だけではエピソードとして成立しません。企業が求めているのは、「あなたがサークル活動を通して何を学んだか」という点です。
文例では「味方へ声をかけ続け、バラバラになったメンバーの心が1つになるよう励ました」とあります。しかし、これだけでは何を学びとったか判断できません。モチベーションの下がったメンバーを鼓舞したことで勝利へ導いたのであれば、「仲間と一緒に立ち上がることで目標を達成できる」「力を合わせて前進することで成し遂げられる」など、行動から習得した学びを添えましょう。
③当たり前のことは自己PRできない
「勝利を得るため話し合った」とアピールしていますが、企業からすれば成果を出すための打ち合わせは当然。「どんな備えが必要か」「何に注意しておくか」という話し合いはごく普通です。
そのためわざわざ自己PRへ入れるほどの文章ではなく、せっかくの記述スペースを戦略的に使用できていないことになります。「話し合ったのは何を解決するためか」「どんな課題が存在していたのか」など、あなたが主体となって行動したプロセスを書いてください。
最後の文末に「努力します」とありますが、これも努力するのは当たり前なので、自己PRには相応しくありません。
④貢献できるポイント主張する
企業にどんな貢献を出来るか記載しましょう。
「さまざまなことに挑戦し」や「失敗を恐れず問題と向き合い」というのは、きちんとした人間性を自己PRしているように感じられるかもしれません。確かに「この人には積極性がある」と受け止められますが、これだけでは単純にあなたの長所を並べただけで終わってしまいます。
そのため企業に人柄は伝わりますが、「この人物を採用してどんなメリットを期待することが出来るか」といった利益を誘導することは難しいでしょう。企業は慈善事業を行う団体ではないため、「長所を使ってどう貢献できるか」というところまで書いてください。
例えば「話術を活かして新規顧客のを開拓する」「相手と価値観を共有し、トラブルへ対応する」など、希望する企業の事業形態に合わせた貢献度を探します。
⑤強みと仕事のバランス
強みと仕事の意気込みは、適度にバランスを図って文字数を決めましょう。
内容にもよりますが、全体の文字数=強み(50〜60%)+仕事への意気込み(50〜40%)が理想です。
もちろん文字数指定や企業の業種によるため、この限りではありません。ただし、強みの部分が少なすぎると自己PRにならないため、「エピソードが思い浮かばない」という場合も、過去の自分を振り返って記憶を手繰り寄せてください。
文例は全体の文字数285字。このうち強みは186字。残りの99字が仕事に関してです。約3分の1を強みの内容で埋めているため、仕事への熱意があまり感じられません。面接官によっては「承認欲求の強い人」と思われることもあるので、仕事への自己PR文を50〜80字ほど増やしたほうが完成度も良くなります。
まとめ
【自己PRの前準備】
〇充分な自己分析
〇志望企業の求める人物像を調べる
〇自分の強みと求める人物像を当てはめる
【自己PRの作成方法】
〇『強み』『具体例』『どう活かすのか』
〇具体例はSTARの順で書く
〇キャリアプランを見据えた活かし方を書く
自己PRテンプレートの活用について
自己PRの書き方が分からなければ、テンプレートへ当てはめましょう。*テンプレート=データを記述する雛形
「それだとみんな同じにならない?」と戸惑うかもしれませんが、形式的に同じでも内容は異なります。「相手に伝える強み」「この会社で成し遂げたいこと」など、テンプレートの中身はまったく別物になるので心配ありません。
自己PRのテンプレートは、文章を構成する形式です。「書き出しの強み」+「具体例」+「強みの活かし方」という手順を追えば、これまで書き方に悩んでいた人も全容を掴めます。「このとおりに書かなければならない」というわけではないため、あくまでも自己PRをまとめる枠として利用してください。
テンプレートを使えば、自分を上手く紹介できますよ。
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