この記事では、過去に営業経験のある20代の方を対象に、医療業界への転職に向けた職務経歴書の書き方について詳しく解説しています。

 自分の価値観や性格にマッチする企業への早期転職を考えているけれど、これまでの経験を活かせるかが不安という方、また未経験・無資格から医療業界を目指したいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

1.未経験または無資格から医療業界へ

 医療業界で働くとはどういうことなのか。おそらく大半は医師や看護師といった国家資格が必要な仕事を真っ先にイメージされるかと思います。そうなると、「未経験や無資格では目指せない」「異職種からのキャリアチェンジは厳しい」と考える方は多いかもしれません。

しかし実際のところ医療関連の職種は多岐にわたり、さまざまな関り方が存在します。そして、中には無資格・未経験からでも始められる仕事がいくつかあります。

以下の項目では主に、国家資格などを取得していない業界未経験の方でも早期転職を狙いやすい二つの職業について紹介していきます。

医療機器メーカーの営業職として働く

 医療メーカーの営業職は未経験者歓迎の求人も多く、医療業界でありながら、特別な資格がいらず、積極的に転職者を採用したいと考える企業も多くあります。

 医師や看護師は医療行為に関してはプロですが、日々アップデートされる医療機器の情報に関してはすべてを把握しているわけではありません。そのため場合によっては、大型のものから小型のものまで医療現場で使う製品について説明を求められることもあります。

 営業職としては基本的に以下の2種類に分かれます。

メーカー

 メーカーは自社製品を医療機関や医療機器ディーラー(販売代理店)に高度な専門知識を踏まえて販売するのが主な役割となります。

 販売後は製品に関するより詳細な説明、取り扱い上の注意点などをアフターサービスとして行います。そのために定期訪問の頻度が高いといえます。自社製品について、少しでも多く知識を身につけ、どんな質問が来たとしても解答に困らないようにしておく必要があります。

ディーラー(代理店)

 ディーラーは主に、業者から仕入れた製品を病院などの医療機関に販売します。メーカーとの違いは、取扱製品の範囲の広さです。ディーラーの場合、顧客のニーズに合わせて幅広い選択肢のなかから売りさばくものを選別します。良くも悪くも複数のメーカーの製品を取り扱うことになるため、より多様な分野に関する知識が必要となります

医療コンサルタントとして働く

 より高年収の転職を狙うなら、病院や医療機器メーカーなどのコンサルティングにまわるというやり方もあります。

 ここでいう医療業界におけるコンサルとは何か。それは医療機関の経営における課題を解決に導くことです。少子高齢化などの社会問題が進んでいるいま、医療機関の数は日に日に増加の一途をたどっています。しかしながら一方で、日本国内では人口の減少が加速しており、社員一人あたりの業務効率化、マーケティング、徹底した財務管理などの対策が急務とされています。

 今後、医療コンサルタントへの転職を考えている方は、医療にかかわる施設が普段どのように運営されているのか、設備やサービスの詳細など医療業界全体のインフラについて知識を身に着けておくことをお勧めします。

 また昨今ではグローバル化に伴い、海外進出に向けた相談を受けるケースも多くあるようです。そのため、世界共通言語である英語を習得できていると選考において有利になれる場合が多いでしょう。

2.転職・職務経歴書の書き方/ポイント解説

 業界未経験・無資格の状態から医療業界へ転職を希望する場合、履歴書と併せて「職務経歴書」の提出が必須となります。本項では主に、これまで営業を経験されてきた20代の方を対象に職務経歴書を書く際のポイントについて解説していきます。

 しかし、そういった方々だけでなく、これまで職務経歴書を一度も書いたことがないという方や未経験ないし無資格から医療業界を目指したいという方にも共通する内容ですので、ぜひ最後まで目を通していただけたらと思います。

選考の際に見られているポイント

 これまでに業界を経験しているか、未経験または異業種からの転職かで、書く際に重点をおくべきポイントは違ってきます。

業界経験者の場合

  すでに業界経験がある場合は採用後に即戦力として働けるかどうかが見られています。そのために、まず以下のポイントを押さえておく必要があります。

 ・これまでの仕事内容

 ・実績

 ・プロセス

 これらについて書く際の注意点としては、読み手に具体的な状況を想像させるようにすることです。そうすることで、あなたが即戦力として働いている姿がよりイメージしやすくなります。

 では、相手の想像力を掻き立てるために必要な要素は何でしょうか。結論からいうと、それは「数字」と「エピソード」の二つです。

 まず、仕事内容であれば担当した顧客/製品/領域などを明記したうえで、過去の実体験を織り交ぜながら、あなたの強みや魅力、実務能力の高さが伝わるように簡潔かつ具体的に書きます。そのうえでどれだけの実績を上げたのかを可能な限り数値化していきます。例えば、社内での営業成績が1位だった、製品の売り上げが何パーセントだった等があると分かりやすいです。さらにそこにプラスアルファで、成果を出すことにつながった自分なりのプロセス(工夫点)を追加することで、より印象的な内容に仕上がります。

業界未経験者or異業種からの転職 

 一方で業界未経験ないし異業種からの転職を希望する場合は主に、これまでの経験で培ったスキルを「これから先、どのように発揮していくのか」を明確にしていく必要があります。たとえ医療に関する専門知識の部分で劣っていたとしても決して悲観的になる必要はありません。あなたが積み上げてきたものの中には必ず、新しい仕事にも通じる何かが眠っています。あとはそれをどうやって仕事に活かすか。この部分を応募先の企業が求める条件と照らし合わせながらアピールしていけば問題ありません。

 ちなみに採用する側がチェックしてくるポイントは以下の通りです。

 ●これから学ぼう、成長していこうとする意欲があるか

 ●コミュニケーション能力の高さ

 ●仕事に対してどのようなマインドセットを持っているか

 まず医療業界は患者の命に関わる重要な業務や場面がいくつも存在するため、現場は突発的な状況においても臨機応変に対処できる人材を求めています。また高齢化による社会的な負担の増加により、今後も医療業界は数々の課題に直面することが分かっています。そのため、現状に満足するのではなく、先を見据えて新しい知識やスキルを積極的に吸収していこうとする学習意欲も当然ながら必要とされるでしょう。

 最後に、マインドセットとはその人の物事に対する普段の考え方や姿勢のことをいいます。医療業界は社会で暮らす人々にとってなくてはならない存在であると同時に、多くの専門家や関連企業スタッフの連携によって成り立っています。実務においては強い責任感とともに、相互関係性を構築するための高いホスピタリティ精神が常に求められます。

3.転職・職務経歴書を書く前にやるべきこと

 転職・職務経歴書を書く際には準備が必要です。採用担当者に「内容を読んで興味を持ってもらう」ためには、自分自身のキャリアや実績を魅力的かつ分かりやすく整理しなければなりません。これが出来ていないと、たとえどんなに素晴らしい経験やスキルを持っていても、書類選考の段階でミスマッチと判断されてしまいます。

 このような事態は自分のアピールポイントと応募企業側のニーズ、この両者との間に何らかの「ズレ」が生じた結果だと考えられます。ズレが起きてしまう原因は2つ。1つ目は、アピールポイントが自分の中でちゃんとまとまっていない。2つ目は、応募先が求めている人物像を把握できていない

 以上のことを解消するためには、自分自身の振り返り企業の下調べ見直し作業の3つの段階を経て、内容を調整していく必要があります。スポーツでいうなら、大会までにコンディションを整えるわけです。

自分自身のキャリアの振り返り

 就活界隈で一般的にいう、「棚卸し」の作業です。自分自身の過去の年表を作っていくようなイメージです。時期ごとに勤務先/役職・業務内容/実績を箇条書きなど、分かりやすい形で整理していきます。この段階では綺麗に文章を整えたりする必要はありません。とにかく思いつく限り、覚えていることを書きだすように心がけましょう。

 どうしても「うまく整理できない……」という方は、5W1Hに分けて作成してみるといいでしょう。WHEN(いつ)、WHERE(どこで)、WHOM(誰に)、WHAT(何を)、WHY(なぜ)、HOW(どのように)、これらの項目に分けて考えることは特に、実務経験での失敗や苦労話、または成功経験といったエピソードを記述する際に非常に有効な手段と言えます。過去の実体験を織り交ぜることで、内容がより精微になり、あなたにしかない魅力がより印象的に相手へと伝わります。面接で志望動機を聞かれた際にも、必ず役立つことなので書きながら、頭の中を徐々に整理していきましょう。

応募企業の下調べ

自分自身のこれまでのキャリアを振り返り、洗い出しを終えたら、次は応募先のホームページや関連記事を見るなどの下調べを行います。下調べを行う意味は企業が採用するにあたって、「どんな人物を必要としているのか」を正確に把握することです。

求める人物像からかけ離れていると認識されれば、先ほども述べたように「ズレ」が必然的に生じてしまいます。また前の作業で洗い出したキャリアを全部そのまま羅列するのもナンセンスと言えます。伝えたい内容がたくさんあるのは結構なことですが、果たしてそれらは相手が知りたい情報なのでしょうか。思い出してください。あなたがやるべきことは「相手に興味をもってもらう」ことです。そのためにも、企業側のニーズを踏まえ、それにマッチする形でアピールポイントを絞り込んでいきましょう。

見直しを忘れずに

 ここまでである程度、あなたの積み上げてきた実績やキャリアが魅力的かつ分かりやすい形に整理されたのではないでしょうか。これでプロトタイプは完成です。後はいよいよ、それを転職・職務経歴書のフォーマットに落としこんでいくのですが、その前に一つやることがあります。

 それは再度、見直しをするということです。自分の強みや魅力はしっかりと応募先のニーズと合致しているか、失敗や成功を含めたエピソードは盛り込まれているか、文章全体を通して矛盾点はないか。これらは書いている本人は出来ていると感じていても、実際には思い通りにいっていないケースが多くあります。だからこそ一度、第三者目線で必ず書かれた内容を読み返すようにしてください。不安であれば、家族や友達、または転職エージェントなどに見せるとより効果的です。

4.Q&A

 ここでは医療業界に関する他の職種、転職・職務経歴書を書く際の細かい疑問点について一門一答形式でまとめました。詳細について理解を深めたい方はご覧ください。

Q.種類(フォーマット)は何を選べばいいの?

 →A.転職・職務所に決まった形式はありません。職種にもよりますが、自分が書きやすいと思ったフォーマットを選 択しましょう。

Q.何枚でまとめればいい?

A.4用紙で2~3枚までが推奨されています。

Q.レイアウトはどうすればいい?

→A.短く簡潔に、を心がけましょう。箇条書きや改行を使うと良いと思います。

Q.転職回数が多い場合、マイナスな印象を持たれないか?

→A.転職理由が相手にとって納得できるものであれば、原点につながることはありません。説明の際はポジティブな内容で。前職の不満や悪口などは言わないようにしましょう。

Q.他に無資格・未経験でも目指せる医療業界の仕事はある?

→A.無資格・未経験でできるものとして、医療事務があります。ただしパソコンスキルの有無を求められるので、その辺りはきちんと押さえておきましょう。

5.まとめ 

 以下に記事のまとめとして簡単に記述します。

 ・医療業界には未経験/無資格でも、転職できる分野がある。

 ・経歴書は事前にしっかりとポイントを押さえ、アウトラインを決めておくこと。

 転職活動は何かと大変ですが、皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

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