
会社に入社しても、3年以内に退職してしまうことを早期離職といいます。
実は、20代の若者の中では早期離職をしてしまう人が近年増加傾向になっています。
もともといた会社に対して不満を抱くなどとネガティブな理由で退職したり、逆に新しいことにチャレンジしたいというポジティブな理由で退職したなど、早期離職には人によってさまざまな理由があります。
しかし、どんな理由でも、あまりにも会社の在籍期間が短すぎると、転職活動をする際、不利になってしまうのではないかと不安に思う方も少なくはないでしょうか。
結論から申し上げると、早期離職をすることにより、必ずしも転職活動が不利になってしまうということはありません。
転職理由を伝える際に、伝え方を工夫すれば、たとえ何度も早期離職をしていたとしても転職を成功させることもできるのです。
今回は、早期離職をするメリットやデメリットを踏まえて、早期離職をしていても好印象を与えることができる転職理由の伝え方について説明をしていきます。
『20代だけどもう3回も早期離職をしている…。けど、次の転職活動では良い会社に転職して、長く在籍したい!』と考えている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
早期離職する人の主な理由
早期離職をする人は、何らかの理由があって在籍していた会社を3年以内に退職してしまいます。
では、早期離職をする人の具体的な理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
早期離職のメリットやデメリットを知る前に、まずは早期離職する人がどんな理由で 会社を退職してしまうのか知っておきましょう。
厚生労働省が公開している、『若者の離職理由』という資料によると、29歳以下の若者が会社を早期に退職するのには主に以下のような理由があったと公表されています。
- 仕事上のストレスが多い
- 会社の将来性に期待ができない
- 労働時間が長い
- 人間関係が辛い
- キャリアアップするため
- 仕事が面白くない
- 仕事がきつい
この他にもさまざまな理由がありますが、ほとんどが仕事の内容や人間関係などとネガティブな内容であることが分かります。
逆に、キャリアアップするためなど、一見ポジティブな理由もありますが、こちらも裏を返せば、『在籍していた会社ではキャリアアップが見込めない。』というネガティブな理由に捉えることもできます。
このように、早期離職をする傾向の高い20代の若者の大半は、ネガティブな理由により在籍していた会社を退職してしまうのです。
早期離職のメリット

早期離職をする人の大半は、ネガティブな理由により在籍していた会社を退職してしまいます。
いくらネガティブな理由で退職した会社でも、3年も満たない早い段階で退職してしまったことにより、今後不自由しかないのではないかとデメリットを感じてしまう方も少なくはないでしょう。
そのように感じて、早期離職したことを少しだけ後悔してしまう方も中にはいます。
しかし、早期離職をすることはデメリットだけではなく、実はメリットもあるのです。
『早期離職したものの、今後デメリットしかなさそう…。』と不安になっている方は、メリットを知っておき、少しでも気持ちを楽にしましょう。
早期離職をする際のメリットには主に以下のようなものがあります。
- 時間が無駄にならない
- ストレスから解放される
- 第二新卒として転職活動ができる
これらが具体的にどのようなメリットなのかを説明していきます。
時間が無駄にならない
会社に在籍していて、『ここでこれ以上頑張っても自分のためにも良くないかも…。』と思って、早期離職をする人も少なくはないでしょう。
何も考えずにただ退職してしまうのはあまり良くないですが、会社の将来性や安定性に期待できないと感じているのであれば、早期離職をすることにより、時間の無駄にならずに済みます。
そして、新たにやりたい仕事を探すなど、自分を見つめ合う時間を作ることができます。
ストレスから解放される
早期離職する人の中で、特に多く挙げられた理由に、会社の労働環境や人間関係への不満があります。
残業が多かったり、過酷な仕事をしていたりすると、会社で働くことがかなりストレスになってしまいます。
また、人間関係に恵まれなかったことにより、『会社に行きたくない。』と気持ちが強くなり、ストレスに繋がってしまうケースもあります。
ストレスを溜め込みすぎてしまうと、場合によっては、鬱病などの精神的な病にかかってしまうリスクも少なくはありません。
しかし、早期離職をすることにより、ストレスから解放され、身体的にも精神的にも安定し、気持ちも楽になれます。
第二新卒として転職活動ができる
新卒で入社した会社を早期離職してしまっても、諦めないでください。
次の転職で、第二新卒として転職活動ができるチャンスがあります。
第二新卒とは、学校を卒業し、一度就職したが早期離職をして、再び転職活動をしている20代前半の求職者のことを示します。
また、第二新卒では、即戦力を求められず、そこまで経験を求められていないのが特徴です。
早期離職をして、『別の企業へ転職して、心機一転頑張りたい。』と思っているのであれば、第二新卒を募集している会社へ転職してみるのも良いでしょう。
早期離職のデメリット

早期離職にはメリットがある反面、デメリットもあるものです。
早期離職におけるデメリットは、早期離職をせずに何年も在籍してから退職する時に得られるものが得られないことが多いです。
具体的には、以下のようなデメリットがあります。
- 失業保険が受け取れない可能性がある
- スキルが身につかない
- 転職活動が不利になる可能性がある
早期離職をすると、不満などを抱いていた会社から解放されるので、気持ち的には楽になれますが、得られないものがあるということを必ず頭に入れておきましょう。
では、早期離職をする際のデメリットは、どのようなことが起きてしまうのか解説をしていきます。
失業保険が受け取れない可能性がある
会社に在籍していた期間によっては、早期離職をした場合、失業保険を受け取れない可能性があります。
失業保険を受けるには、以下の条件が揃っていないと受け取れることができません。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
- 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あること。
例えば、新卒で入社した会社を10ヶ月で退職した場合は、ハローワークに求職の申し込みを行おうとしても、失業保険を受け取ることができません。
ただし、上記にも記載している通り、12ヶ月以上在籍している場合であれば、求職の申し込みをすることにより、受け取ることができます。
在籍していた期間があまりにも短い場合だと、失業保険を受け取れないのでご注意ください。
スキルが身につかない
早期離職してしまうと、一度在籍していた会社で積み重ねてきたスキルの蓄積を中断するということになります。
そのため、中途半端なところまでしかスキルが身についていない状態になります。
もしも転職活動をして、即戦力を求めている会社に転職を考えている場合、それなりのスキルが必要となっていきます。
自分ではそれなりにスキルがついていると思っていても、企業側からは前職に在籍していた年数でどれくらいの知識があるかを判断していることが大半です。
そのため、あまりにも短期間で離職してしまうと、転職時に企業側から『この人はスキルが少ない。』とみなされてしまうのです。
転職活動が不利になる可能性がある
上記でも挙げたスキル面はもちろん、早期離職をしていることにより、転職活動において不利になってしまう場合もあります。
特に、1回だけでなく、何回も早期離職を繰り返している場合、転職活動をする度に企業側に『なぜこんなに転職をしているのだろう?』と思われてしまいます。
そして、『どうせ採用してもすぐ辞めてしまうのだろう。』と思われ、選考が進まず、転職活動が停滞してしまう恐れがあります。
また、あまりに短い期間で退職をしていた場合、『どうして退職されたのですか?』と早期離職の理由を細かく聞かれてしまう可能性があります。
早期離職をした理由をうまく伝えられないことにより、転職がなかなかできないケースも多いのです。
早期離職は本当に転職に不利なのか?
デメリットにも挙げた通り、早期離職をすると、スキルが身につかなかったり、転職活動をする際、なかなか採用が決まらないなど、不利になってしまうケースもあります。
確かに、あまりに前職の在籍期間が短すぎたり、早期離職を何度も繰り返してしまうと、企業側からも『この人はすぐに辞めちゃうだろう。』とみなされ、選考にすら進まないことも多くあります。
しかし、早期離職をしたからといって、必ずしも転職に不利というわけではありません。
状況によって不利になってしまう場合があるということであって、1回だけ退職をした場合などであれば、第二新卒として転職活動をすれば、転職できることが大半です。
また、仮に何度も早期離職をしていても、転職をする際の転職理由を適切に伝えることにより、転職活動を成功させることも十分にあります。
そのため、早期離職をしているからといって必ずしも転職活動が不利になるということではないので、これから転職活動をされる方は、安心してくださいね。
早期離職していても好印象を与える転職理由の伝え方!
早期離職をすると、転職活動をする際、不利になりそうだと思われがちですが、転職理由を適切に伝えることにより、転職活動を成功させることができます。
では、どのようにして、転職活動を伝えれば良いのでしょうか?
早期離職をしていても、企業に好印象を与える転職理由の伝え方を紹介していきます。
以下のポイントを押さえて転職理由を伝えることにより、好印象を与えることができます。
- 前職を退職した理由を明確にする
- 今後の目標を伝える
- ネガティブなワードは出さない
これらのポイントについて、具体的に説明をしていきます。
前職を退職した理由を明確にする
退職した理由は人それぞれありますが、伝える際にあやふやにしたり、嘘をついたりしてはいけません。
必ず、自分がどうして前職を退職をしたのかを改めて振り返って、明確な理由を伝えるようにしましょう。
ただし、退職した理由をそのまま伝えてしまうのはNGです。
退職した理由を振り返るのはもちろんなのですが、さらに深掘りをして理由を伝えることがポイントです。
以下に例を挙げたので、参考にしてみてくださいね。
- 『上司や先輩に相談しにくい環境だった。』→『上司や先輩と協力しながら、仕事ができる環境で働いてみたかったから。』
- 『労働時間が長かったから。』→『仕事とプライベートの時間をしっかり確保して両立して仕事がしたいから。』
- 『給料が少なかったから。』→『自分の仕事を正当に評価をしてくれる環境で働きたいから。』
今後の目標を伝える
転職をした理由を伝える際は、ただ前職を転職した理由を伝えるだけではいけません。
当然ながら、今後転職先の企業でどのようにして活躍したいか、目標を伝えるようにしましょう。
例えば、上記の例で挙げた『上司や先輩と協力しながら、仕事ができる環境で働いてみたかったから。』という退職理由の場合、協力して仕事ができる環境で働くことによりに『どのようにして活躍していきたいか?』ということを考えていきます。
『他の人と協力して働くことにより、お互いを高め合い、さらに皆がスキルを伸ばしていけるような場を作り上げたい。』とか、『他の人と協力しつつも、いつかは自分が皆を引っ張って仕事をしていきたい。』など考えれば考えるほど、目標になるようなことが浮かぶでしょう。
転職先の企業にもあなたが今後何を目標としているのか、将来のビジョンをしっかり伝えてくださいね。
ネガティブなワードは出さない
大半の人がネガティブな理由で早期離職をしているかもしれませんが、転職活動をする際は、早期離職したことに対してネガティブなワードを出さないようにしましょう。
例えば、前職を悪く言うことや、不満や悪口は、絶対に転職活動をしている際は言わないようにしてください。
このようなことを面接時に伝えてしまうと、聞いている企業側もあまり良い気分にはなりません。
言いたくなってしまう気持ちもあるかもしれませんが、グッと堪えてくださいね。
もし言わざるを得ない状況になってしまった場合、できるだけポジティブなワードに変換して伝えることを意識しましょう。
早期離職でも諦めないで!伝え方を工夫すれば転職成功できます

早期離職をしてしまうと、なかなか選考が進まなかったり、不採用になってしまうなどと、不安になってしまうこともあります。
しかし、早期離職をしているからといって、必ずしも転職活動が不利になってしまうということはありません。
転職理由を伝える際に工夫をすることで、転職を成功させることできます。
ぜひ、これから転職活動される際は、今回紹介した転職理由の伝え方を参考にして、選考に挑んでくださいね。
そして、あなたが志望している企業へ転職し、改めてスキルや経験を積み重ね、活躍していきましょう。
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