SES営業へ転職を考えている方にとって、とくに気になるのが年収ではないでしょうか。
営業というと、業績によって給与が変わることが一般的ですが、SES営業はどういった形で給与が決まっているのか知りたいですよね。
そこで今回は、SES営業の平均年収と給与制度、仕事内容・必要なスキルについて詳しく解説します。
年収を上げるコツやキャリアパスについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
SES営業とは?
そもそも、SES営業とはどのような仕事なのでしょうか。
まず最初に、SES営業の仕事内容と必要なスキルについて解説します。
SES営業の仕事内容
SES営業は、エンジニアが不足している企業に自社のSESエンジニアを派遣し、業務を円滑に回せるようにサポートすることが主な仕事です。
SESは『System Engineering Service(システム・エンジニアリング・サービス)』の略語で、意味としてはエンジニアの業務委託契約といった内容になりますね。
主にシステム開発関連の企業が営業の対象で、エンジニアの派遣先になります。
ITの普及・拡大とエンジニア不足の影響もあり、SES営業の需要は今後も高まると予想されています。
SES営業に必要なスキル
次に、SES営業で必要なスキルについて見ていきましょう。
主に必要なスキルは、以下の4つになります。
- コミュニケーション能力
- セールススキル
- 問題解決能力
- プレゼンテーション能力
それぞれについて、簡単に解説します。
『コミュニケーション能力』は、顧客との円滑なやり取りを通じて要件を把握し、適切な提案や説明を行うために必要なスキルです。
また、エンジニアや他のSES企業との信頼関係を築くためにも、コミュニケーション能力が重要になります。
『セールススキル』は、クライアントのニーズを理解し、説得力のある提案を行うために必要なスキルです。
『問題解決能力』は、企業など顧客の課題や要件を分析し、エンジニアとのミスマッチを防ぐための戦略を考えるために必要なスキルです。
『プレゼンテーション能力』は、エンジニアの紹介や企業情報のまとめなど、わかりやすい説明と正確な事務処理を行うために必要なスキルです。
SES営業の平均年収と給与制度
営業職というと、業績に応じて給与が決まることが一般的ですが、SES営業でも同じ給与制度になっているのでしょうか。
ここでは、SES営業の年収について、以下の3項目に分けて解説します。
- SES営業の平均年収
- 基本給とインセンティブ
- 昇給・賞与
SES営業の平均年収
SES営業の年収は、経験、能力、成果、企業規模によって変動します。
新社会人のSES営業の年収は300〜400万円ほどですが、インセンティブ(成果報酬)により、実際の年収は基本給よりも大きく増える可能性があります。
また、経験を積むと基本給が増え、案件規模や案件の単価も上がるため、インセンティブの額も大きくなる傾向にあります。
中堅以降のSES営業の年収は600〜800万円ほどで、優秀な営業では1000万円を超えることも珍しくありません。
IT業界全体の営業職平均年収は470万円ですが、SES営業の平均年収は450万円ほどなので、IT関連の営業職の中では低めだと言えますね。
ただし、成果主義の側面が強いSES営業は、契約数によってインセンティブ(成果報酬)が大きく左右されます。
SES営業として業績トップの営業パーソンなら年収1000万円以上も可能で、独立すれば報酬額は青天井なため、平均年収は参考程度に留めておいた方がよいでしょう。
基本給とインセンティブ
SES営業の給与制度は、『基本給』と『インセンティブ(成果報酬)』で構成されています。
『基本給』は役職・勤務時間・会社規模などにより決定され、売上や業績に関係なく一定の金額が支払われます。
一方、『インセンティブ(成果報酬)』は業績に連動した報酬形態で、契約数に応じて支払われる歩合制度や、一定の契約数をクリアすると支払われるボーナス制度などがあります。
SES営業での『インセンティブ(成果報酬)』は、粗利額の10〜30%が一般的です。
『基本給』は安定した収入が得られますが、それだけではSES営業で高い年収を得ることはできません。
SES営業で年収を上げるには、営業パーソンとしてスキルを伸ばし、営業成績を上げることで『インセンティブ(成果報酬)』を獲得することが不可欠です。
昇給・賞与
一部のSES企業では、『賞与』と『昇給制度』が設けられています。
『賞与』は通常、夏と冬の年2回支給され、企業業績と個人の評価に基づいて支給額が決定されます。
『昇給制度』は、一定期間ごとに基本給が見直され、評価や成果に応じて基本給が上昇する仕組みです。
多くの企業で一般的な『賞与』と『昇給制度』ですが、SES営業では全ての企業で採用されているわけではないので注意しましょう。
SES営業の年収を上げるコツ
他の営業職と同じように、SES営業にも年収を上げるコツが存在します。
ここでは、以下の3つの年収を上げるコツについて解説していますので、参考にしてくださいね。
- 新規顧客・人脈を開拓する
- スキルアップ・専門知識の習得
- 高収入のSES営業に転職する
新規顧客・人脈を開拓する
SES営業の年収を上げるためには、新規顧客や人脈の開拓が重要です。
新規顧客を開拓することで案件や人材情報が増加し、マッチング数や確度を上げることができます。
その結果、契約数の増加につながり、インセンティブや賞与が増えたり、昇給の可能性が高まります。
人脈を広げることもSES営業の年収を上げるには重要な要素で、企業や個人との関係性を積極的に築き、情報交換などを行うことが大切です。
人脈形成には、業界イベントやセミナーへの参加、SNSでの情報発信など、様々な方法があります。
周囲と信頼関係を構築しながら、SES営業として存在をアピールすることで、営業のチャンスを広げることができるでしょう。
スキルアップ・専門知識の習得
SES営業として年収を上げるには、スキルアップと専門知識の習得も欠かせません。
営業スキルやプレゼンテーション能力を磨き、業界トレンドやIT技術の理解を深めることで、営業成績を向上させることができます。
また、研修・資格取得などを通じて専門知識を習得することにより、SES営業として能力を評価され、基本給が上がったり、ボーナス獲得につながることもあります。
スキルアップと専門知識の習得で市場価値を高めることにより、SES営業として年収を上げることができるでしょう。
高収入のSES営業に転職する
年収の高い他のSES企業へ転職することも、年収を上げるための方法の一つです。
とくに、商流の深い下流工程の案件ばかりを扱う企業では年収が上がらない可能性があるため、モチベーションや将来性の観点からも転職を検討すべきでしょう。
ただし、転職後に逆に年収が低下するケースもあるため、企業分析や転職活動に時間をかけて慎重に行う必要があります。
新しい環境への適応には時間と努力が必要ですが、年収を上げるためには有効な方法の一つです。
転職の準備・相談方法につきましては、以下の記事で解説していますので、併せて参考にしてくださいね。
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SES営業のキャリアパス
ここまで、SES営業の業務内容・年収についてお伝えしましたが、キャリアパスにはどのような選択肢があるのでしょうか。
人生設計を考える上でキャリアパスはとても大切な要素ですし、転職前に知っておく必要があります。
ここでは、SES営業のキャリアパスについて、以下の4つの項目に分けて解説します。
- 管理職・役員への昇進
- エンジニアへの転職
- ITコンサルタント・SIerへの転職
- 独立する
管理職・役員への昇進
SES営業の管理職・役員への昇進は、キャリアアップのための重要なステップです。
管理職に昇進するためには、コミュニケーション能力、情報収集力、課題解決能力に加え、マネジメントスキルが求められます。
とくにエンジニアの指導では、専門知識だけでなく指示や指導を通じて成果を引き出すスキルが必要であり、信頼関係を築く能力も重要です。
さらに、役員に昇進するためには、管理職以上のマネジメント能力とリーダーシップが求められます。
会社の方針決定や戦略立案にも関わり、組織全体の成長を導く役割を担うため、豊富な経験と実績、幅広い人脈、人を率いる強いリーダーシップが必要です。
以上のように、管理職・役員への昇進は、SES営業の実績だけでなく、業務管理や人材育成といったマネジメント能力が必要なため簡単な道のりではありません。
SES営業として自己研鑽を続け、必要なスキルを磨くことで、社員を束ねる役割を果たすための準備を進めておくことが大切です。
エンジニアへの転職
SES営業からエンジニアへの転職は、1つのキャリアパスとして考えられます。
近年はエンジニアの需要が高まっており、給与水準も上昇傾向にあるため、年収を上げる意味でも有益な転職先です。
エンジニアになるためには、プログラミングやシステム設計などの専門的な知識とスキルの習得が必要ですが、SES営業として培った知見を活かせる場合もあります。
また、SES営業経験者は業界全体の流れや、どんなスキルが必要かを把握しているため、完全な未経験者よりエンジニアとしての成長が早いことも向いている理由ですね。
SES営業からエンジニアへ転職し、IT業界の最先端で活躍できる存在を目指してみてはいかがでしょうか。
ITコンサルタント・SIerへの転職
SES営業の経験と知識を活かし、ITコンサルタントやSIer(システムインテグレータ)に転職することも、キャリアパスの選択肢になるでしょう。
ITコンサルタントとして活躍するには、顧客の企業に合わせてITツールやシステム導入の有無を判断し、ビジネス上の問題・課題を解決することが求められます。
また、ITコンサルタントの顧客の多くは経営者クラスであり、プレゼンテーション能力、論理的思考力、総合的なビジネス知識が必要です。
SIerへの転職では、企業のITシステムの開発や導入、運用・保守・管理までを一挙に引き受けることになります。
SES営業の経験と知識を活かしつつ、ITシステムに関連する必要なスキルを身につけることで、給料アップのチャンスが広がります。
ITコンサルタントやSIerへの転職には、新たな知識の習得と専門性の向上させる努力が欠かせません。
ITを活用した業務改善や効率化の提案をするため、幅広いスキルを身につける必要があるからですね。
難易度は高いですが、転職後の業務を軌道に乗せることができれば、SES営業を上回る収入を得られる可能性があるでしょう。
独立する
SES営業としての独立は、経験や人脈を活かしたキャリアパスの選択肢の1つです。
SES営業時代の顧客やパートナー企業とのつながりを活用することができ、人脈が多いほど独立後の成功確率が高まります。
営業成績をしっかり積み重ねておけば、得意先の企業や優秀なエンジニアとの信頼関係が構築でき、独立のハードルを下げることができます。
もちろん、独立後も継続的な努力は必要ですが、安定した仕事量を確保できれば、SES営業として雇用されていた時よりも年収を上げることができます。
SES営業の年収について まとめ
SES営業の年収は、経験・能力・成果・企業規模などによって変わりますが、平均年収は450万円ほどです。
年収を上げるためには、基本給とインセンティブ(成果報酬)の給与制度を理解し、新規顧客の開拓やスキルアップ、専門知識の習得などの努力を惜しまないことが大切です。
また、SES営業はキャリアパスが豊富で、管理職・役員への昇進、エンジニアやITコンサルタントへの転職、独立など、状況や能力に併せてキャリア形成できることも魅力でしょう。
SES営業は人間関係の構築など大変な部分も多い仕事ですが、顧客に適切なSESエンジニアを派遣し、業務効率化・生産性の向上に役立てた時の喜びは大きなものです。
ITはますます発展し、多くの企業でエンジニア不足になることが予測されますので、SES営業として時代の最先端で活躍してみませんか!
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